私がお付き合いさせて頂いている動物病院は、
当初は数千万円であっても年商は1億円を超えます。
支援させて頂く時のスタッフ数は3名~6名から始まることが
多いです。
最近はスタッフ数20名以上の動物病院の支援をさせて頂く
機会が増えています。
スタッフ数が増えてくると組織作りと人材育成の課題が
大きくなってくるので、少人数のステージから
取り組んでいた方が病院の成長速度も早まります。
私が初めて支援させて頂いたのは千葉県の動物病院で
2012年からのお付き合いですから10年目になります。
当時はスタッフ数は6名でしたが、今では30名となり
千葉県ではトップクラスの動物病院へと成長しました。
院長の理想の1つに、
求人で困らない、複数人の中から
良い人材を選べるような病院になる
ということがありました。
採用に苦労している動物病院は多いのですが、悩みは
求人を出しても応募がない
良い人材がなかなか採れない
の2つに集約されると思います。
この動物病院の成長曲線は急激ではなく、少しずつ伸びていく
感じでしたが、一番のキモはスタッフがすぐに辞めなくなった
ということです。
離職率0%というわけではありませんし、2年くらいで辞めてしまう
スタッフはいますが、新卒から入社して5年以上のスタッフの方が
多いです。
どの動物病院もまず最初にやらなければならないのは、
離職の出血を止めるということです。
5人入れて1年で4人辞めるということを繰り返すと
5年後は20人採用して5人しか残りません。
採用にはコストがかかるのでスタッフの離職率が高いということは
利益率が下がることを意味します。
費用面で言うと
求人広告費
就職説明会の参加費用
スタッフの人件費
がありますが、その他に時間と労力といった見えないコストも
発生しています。
スタッフの定着率が良いと順調に育っていけば仕事もスムーズに
できるようになり、スタッフの質も向上します。
スタッフの能力は知的資産と技術資産を産み出します。
知的資産とはノウハウ
技術資産とは実務能力
この2つの資産が貯まり、院内で共有されることで
能力の福利の効果が現れます。
最新の医療機器や綺麗な設備はお金を払えば手に入れることができますが
人材の質の向上はお金を払ってもすぐにできません。
例えばこれは筋トレと同じです。
私は2020年の8月から健康面を意識してパーソナルトレーナーの下で
トレーニングを始めましたが、もともと筋トレは嫌いだったので
習慣化しませんでした。
月に2回行くだけで家では何もやらなかったのであまり変化はありませんでした。
しかし、2021年の3月くらいから少しずつやるようになり、
今では毎朝1時間ほど自宅でトレーニングをしてから仕事をするように
変わりました。
自分でも少しずつ体つきが変わってきたことが自覚できるようになり
それから筋トレに関する本を買い漁り、独自に研究しています。
最近買った本で武田真治さんの
優雅な肉体が最高の復讐である
という本を購入し読んでみたところこの言葉が私に刺さりました。
肉体は名刺になる
どんなお金持ちでも厚い胸板はお金では買えません。
どんな生まれの何者でも、胸板を厚くするには鍛えるしかないのです。
鍛えるとは苦しみや痛みに耐えること。
だから鍛え上げられた胸板はどんな仕事においても、
男にとって人となりを証明する名刺となり、その人が地道な努力を惜しまない
強い人間であることを雄弁に語るのです。
死ぬほど努力しても1週間では厚い胸板は作れません。
最低でも数か月かかってようやく手に入るものですから、
それだけ長期的なプランを立てて実行できる人間だけが、
そのプライスレスな名刺を手に入れられるのです。
筋肉は金では買えないのです。
ここで言うところの厚い胸板は、スタッフの質と考えて頂くと
良いと思います。
スタッフの質が向上し、お客様への対応、接遇サービスが良くなれば
自然とお客様数は増え、売り上げは伸びていきます。
したがって病院を成長させたいのであれば、スタッフの教育に
注力することが重要なのです。